2020年初頭より世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、大学教育にも大きな影響をもたらしました。各大学では、緊急対応型遠隔授業の実施に伴う通信環境やデバイス等ハード面での整備、ガイドライン等ソフト面での整備、FD活動の推進など様々な対応を行ってきました。経済的支援やピア・サポート等の施策を盛り込んだ緊急学生支援パッケージの導入なども進められるなど、教育・学生支援双方で様々な課題に挑戦してきました。
このような中、初年次教育学会では、高校教育から大学教育への円滑な移行を促進するための初年次教育が、どのように取り組まれ、どのような課題に直面し、どのようにその課題に取り組んできたか、教職員からみた実態の把握とこれからの初年次教育のあり方について提言することを目的に、大学において様々な立場で今回の問題に対応してきた会員を対象にアンケート調査を実施することとしました。理事会に置かれている課題研究活動委員会が中心となり、「初年次教育におけるCOVID-19への対応実態についての調査WG」(座長:濱名篤委員長)を設置し、そこで調査内容や実施方法等について協議しました。その後、理事会における倫理審査を経て、実施する運びとなりました。
調査の概要は以下の通りです。
《調査期間》2021年7月22日(木)〜2021年8月20日(金)
《調査方法》Googleフォームによるオンライン調査
《調査対象者》学会員121名(回答率22.5%)
《調査内容》
A.基本情報(所属機関の概要や回答者の属性)
B.学内での組織的な対応
・2021年度の学生への対応措置
・2020年度以降の初年次教育の実施方針
C.初年次教育の特徴
・2021年度前期の科目内容や実施方式
・コロナ禍以前と比較した教育方法や学生の意欲・スキル・技術等の獲得度
・コロナ禍以前とコロナ禍以降の各学期とを比べた納得度
・初年次生に対する遠隔授業のメリット・デメリット
D.自由記述
・コロナ禍での初年次教育の実践上の工夫
・日本の初年次教育にもたらされるであろう変化
調査結果は以下の通りです。なお、シンポジウム報告の内容は『初年次教育学会誌第14巻1号』にも掲載されますので、併せてご覧ください。
・資料1.基礎集計(自由記述も含めた全ての項目の基礎集計表)
・資料2.シンポジウム報告(第14回大会の課題研究シンポジウムでの調査結果報告の資料)
今回の調査にご協力いただいた会員のみなさまに厚く御礼申し上げます。
初年次教育におけるCOVID-19への対応実態についての調査WGメンバー
濱名篤(座長)、川嶋太津夫、菊地滋夫、笹金光徳
白川優治(非理事)、藤本元啓、山田剛史、山田礼子